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生善院 (熊本県水上村) : ウィキペディア日本語版
生善院 (熊本県水上村)

生善院(しょうぜんいん)は、熊本県球磨郡水上村にある真言宗智山派の寺院である。
寺に残る伝説から、「猫寺」の通称で知られる。山門脇には、狛犬ならぬ「狛猫」が置かれる。
寛永2年(1625年)建立の観音堂は、国の重要文化財に指定されている。観音堂内の須弥壇嵌板にも猫が彫刻されている。
== 伝説 ==
創建は寛永2年(1625年)、相良氏第20代相良長毎(頼房)によるもので、次のような由来をもつ。
かつてこの地にあった普門寺の住持・盛誉法印は、天正10年(1582年3月16日、相良氏より無実の罪によって殺され〔無実の罪の内容について複数の説がある。一説には、盛誉は湯山城主・湯山佐渡守宗昌の弟であったが、相良氏への謀反を企てたと疑われ、死罪に処せられたという。寺に設置の案内板などはこの謀反説を採る。別の説では、村に庵を結んでいた比丘尼の学徳に私淑した青年僧・盛誉がその教えを乞うたところ、盛誉に不浄の行いありとする噂が立ち、これが相良氏の耳に達して死罪に処せられたとする(『くまもと』97-98頁、『熊本県大観』別天地球磨郡8頁)。〕、寺にも火をかけられた。
息子の死を恨んだ法印の母・玖月善女は、相良氏を呪い、断食して市房神社で37日間(21日間とも)の咀呪をなし、指を噛み切って神像に血を塗り、愛猫の黒猫「玉垂」にも因果を含めて自分の生血をすすらせ復讐を誓い、猫とともに淵に身を投げて死んだ。
その後、相良氏が化け猫に悩まされるようになり、盛誉親子らの霊を鎮めるため、普門寺跡に建てられたのが生善院だという。初代住持は願成寺第16代の尭辰。藩では盛誉法印の命日3月16日に藩民に寺への参詣を命じ、藩主自らも参詣したので、祟りは止んだと伝えられる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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